立体的な震源分布を簡単に見る方法
地震活動は地下で起こるので、イメージするのは簡単ではありません。日本付近では地震がどこで起きているのか、三次元的に見ることができる無料のツールをまとめてみました。
ウェブブラウザによる三次元震源分布表示
最も手軽に見られるものは、防災科学技術研究所の『ウェブブラウザによる三次元震源分布表示』だと思います。
日本列島付近で発生したマグニチュード1.5以上の震源をWebブラウザ上で見ることができます。マウスを使って拡大縮小や回転をさせることができます。
http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/ThreeJS/html_files/HinetHypo3D_2013-2017.html
最新のデータは2013年1月~2017年12月のもので、 最も古いものが2001年1月~2005年12月の期間のものです。5年単位でデータを閲覧することができるようです。
細かい期間の指定などはできませんが、必要なソフトや作業もなく、すぐに見ることができるのが便利です。
メリット
- Webブラウザ上ですぐに表示されるため、最も手軽
shingen
株式会社ライブ・アースと東京大学大学院理学系研究科河合研究室が共同研究で開発した『shingen』では、スライダを動かすことで時間変化も見ることができます。
下の図は、2016年に発生した熊本地震に伴う地震活動のうち4/14-16にかけての震源分布です(気象庁震源データ)。ここでは、球の大きさがマグニチュードの大きさを示しています。
そしてこちらは4/14-18の地震活動です。左下のカラーバーにあるように、暖色ほど新しい地震の震源になります。地震活動が広域に広がっていっていることが分かります。
次に、2008年に発生した岩手・宮城内陸地震を見てみました(気象庁震源データ)。今回は見やすくするために球ではなく点でプロットしました。色がマグニチュードの大きさを示しています。このshingenには表示されている震源分布から断層面を描く機能がついており(デフォルトではオフ)、青い四角は推定される断層面を表しています。
水色の断層面に平行な方向から見てみました。余震も含めて見ることができるので、大地震を引き起こした断層が面的な広がりをもっていることがよく分かりますね。
もちろん、真上からも見られます。
メリット
- 過去に起きた特定の地震の活動を確認できる
- 表示設定が豊富
地震3D
iPhoneやiPadを持っている方には、東北大学の江本賢太郎先生のアプリ『地震 3D』がおすすめです。防災科学技術研究所Hi-netの地震データを利用して表示するものです。
ズームや回転など、直感的に操作ができます。当たり前ですが、できれば画面サイズが大きいほうが見やすく操作しやすくよさそうですね。
正確な時間は指定できませんが、時間変化も見ることができます。
デフォルトで2018年1月1日から1月14日までのデータを見ることができますが、他の期間のデータを見たい場合には、防災科学技術研究所のアカウントが必要になります。登録は下記ページから。
一度登録すれば、アプリ内で見たい期間のデータを自由にダウンロードすることができます(一度にダウンロードできるのは31日間まで)。
メリット